前半3ハロンタイムで1200m戦を攻略しよう!

エクセルファイル

1200m戦は前半3ハロンタイムがカギ!
~後半に狙い目前半3ハロンタイムも!~

1200m戦は他の距離と比べてレース数が多いわりに、荒れやすいイメージが強く難しいレースと感じてませんか?
それは出走馬のレベルスタートダッシュに理由があります。

日本で一番メジャーなレース「日本ダービー」のコース(芝2400m)を見てもわかる通り、日本競馬界で中心になっているのは芝の中・長距離レース…そのため1200m戦のような短距離戦は必然的にメインストリームから外れた馬たちの争いとなり、一部の重賞を除いてレベルが”低い”のです。

また1200mは距離が短いため、スタートでつまづいて出遅れるとその時点で”ジ・エンド”。どんなに後ろから追い込もうが届きません。これが中距離以上であれば出遅れを立て直す時間もありますが、1200m戦では立て直す前にゴールが来ます。逆に運よくすんなりスタートダッシュを決められたら、能力が高くなくても勢いで上位に来ることも可能です。極端なことを言えば、スタートダッシュを決めさえすれば勝てる、ということです。

距離が短いレース、特に1200m戦ではスタートダッシュを決められる先行力のある馬をどう見極めるか?ということこそが予想のカギとも言えます。この記事では「前半3ハロンタイム」を使った1200m戦の予想方法をご紹介します!

1.1200m戦はホントに逃げ馬が有利?

1200m戦は距離が短いからほかのコースよりも逃げ馬が有利そうだな…と何となくイメージできると思います。
実際にデータを見てみると1300m以上のコースの逃げ馬よりも1200mコースの逃げ馬は連対率・複勝率が10%以上も高く
1200mコースは逃げ馬が有利であることが分かりますね。

【1200mコース】脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率
逃げ 756-487-298-1742/3283 23.0% 37.9% 46.9%
先行 1504-1531-1358-7503/11893 12.6% 25.5% 36.9%
差し 821-983-1247-15742/18793 4.4% 9.6% 16.2%
追い込み 209-282-375-14861/15727 1.3% 3.1% 5.5%

【1300m以上コース】脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率
逃げ 2069-1509-1202-8651/13431 15.4% 26.6% 35.6%
先行 5647-5527-4686-28251/44111 12.8% 25.3% 36.0%
差し 3698-4166-4840-53478/66182 5.6% 11.9% 19.2%
追い込み 971-1204-1739-50214/54128 1.8% 4.0% 7.2%

※データ検証期間:2014年4月19日~2019年4月7日 約5年間

2.先行力を前半3ハロンタイムの”偏差値”で評価する!

逃げ馬が有利なのは分かったけど、逃げる馬の見極め方が分からないんだ!って思う気持ち、痛いほどわかります。私も色々と試行錯誤の連続で、失敗ばかりでした。

前走の4コーナーの通過順位が1位の馬は先行力がある!』…みんな目を付けて人気になりました
前2走連続で逃げた馬は今回も逃げる!』…そんなことはなく、あっさり馬群に沈みました

そこで冒頭で紹介した”前半3ハロンタイム“で先行力を正確に測れる方法を探りました。
ただ単純に1つのレース中での前半3ハロンタイムの順位を付けるのでは正確な先行力が測れません。

それは「タイムの順位だけではペースの違いによるタイムの違いが比較できない」からです。スローペースで逃げた馬よりもハイペースで2番手を追走した馬の方が高く評価されるべきなのに、前半3ハロンタイム順位で見るとスローペースで逃げた馬が高い評価を受けてしまいます。

相対評価ではなく絶対評価で前半3ハロンタイムを評価するために、コースとクラスごとに1200mコースの前半3ハロン平均タイムを算出し、「偏差値」という形で指数化することで前半3ハロンタイムの評価をすることにしました。

3.コース・クラス別の狙い目前半3ハロンタイム ※1200m限定

ここではコース・クラス別の前半3ハロンタイムの狙い目を偏差値60以上のタイムと定義付けました。「偏差値60」というのは上位16%を示しており、18頭立てだと上位3頭に入る、というイメージです。

狙い目前半3ハロンタイムが速いほど、ペースが速くなり易いコースと言えます。下記データを見てみると中山コースは芝・ダート共に高速馬場ですが、それ以外だと意外にもローカルコースの方がハイペースですね。

■芝1200mコース・狙い目前半3ハロンタイム

コース 新馬戦 未勝利戦 500万下 1000万下 1600万下 オープン 重賞 コース
全体
中山芝1200 35.0 34.2 34.0 34.0 33.6 33.7 33.5 33.9
京都芝1200 35.4 34.7 34.3 34.3 34.4 33.9 34.2 34.3
阪神芝1200 35.6 34.8 34.5 34.3 34.1 34.2 33.7 34.4
新潟芝1200 35.4 34.3 34.3 34.4 34.1 35.1 34.2 34.3
福島芝1200 35.1 34.4 34.1 33.8 33.5 33.8 34.1
中京芝1200 35.3 34.6 34.4 34.3 34.3 33.7 34.3
小倉芝1200 34.4 33.6 33.6 33.5 33.6 33.9 33.2 33.6
札幌芝1200 35.1 34.6 34.2 34.3 33.7 34.0 34.0 34.3
函館芝1200 35.0 34.3 34.1 34.0 34.1 33.5 34.1

■ダート1200mコース・狙い目前半3ハロンタイム

コース 新馬戦 未勝利戦 500万下 1000万下 1600万下 オープン 重賞 コース
全体
中山ダート1200 35.1 34.4 34.2 34.0 34.0 33.8 33.5 34.2
京都ダート1200 36.1 35.7 35.2 35.0 34.9 34.7 34.1 35.2
阪神ダート1200 35.9 35.6 35.0 34.9 34.6 35.2
新潟ダート1200 35.9 34.8 34.5 34.3 34.4 34.3 34.6
中京ダート1200 35.4 35.2 34.7 35.2

※:そのクラスでレースの開催がないため記載なし

4.先行力のある馬が有利な1200mコースは?

前半3ハロンタイムの分析をより活かすために、先行力のある馬が有利な1200mコースを選択することも重要です。
ここでは「前走1コーナーの通過順が上位だった馬の複勝率が高いコース」と定義づけました。過去5年データで見ると、下記5コースが先行力のある馬が活躍できるコースと言えます。

参考までに1コーナー通過順が上位の馬のうち複勝率が高いコースも載せておきます。ここでも阪神コースは上位です。

前走1コーナー通過順位・前から1/3頭以内だった馬の複勝率上位5コース
※期間:2014年4月 ~ 2019年4月

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率
阪神・芝1200 59- 55- 56- 442/ 612 9.6% 18.6% 27.8%
阪神・ダ1200 172- 154- 132-1242/1700 10.1% 19.2% 26.9%
新潟・ダ1200 180- 176- 150-1378/1884 9.6% 18.9% 26.9%
函館・芝1200 103- 88- 86- 755/1032 10.0% 18.5% 26.8%
札幌・芝1200 49- 60- 53- 447/ 609 8.0% 17.9% 26.6%

1コーナー通過順位・前から1/3頭以内の馬の複勝率上位5コース
※期間:2014年4月 ~ 2019年4月

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率
新潟・ダ1200 243- 219- 173-1026/1661 14.6% 27.8% 38.2%
阪神・ダ1200 213- 179- 156- 960/1508 14.1% 26.0% 36.3%
阪神・芝1200 80- 65- 69- 375/ 589 13.6% 24.6% 36.3%
中山・ダ1200 442- 409- 350-2208/3409 13.0% 25.0% 35.2%
京都・ダ1200 237- 225- 171-1170/1803 13.1% 25.6% 35.1%

逆に先行力のある馬が活躍し辛いコースはローカル(新潟・福島・中京・小倉)の芝コースです。これらのコースはコーナーがきつく、ハイペースになることが多いため先行勢がバテて差し馬にチャンスが来る展開が増えるためです。

5.検証 ※2019年4月6日(土)をピックアップ

実際のレース結果から直近3走での前半3ハロンタイムが上位だった馬がどんな成績だったか検証してみたいと思います。ここでの偏差値はコース全体基準ではなく、コース・クラス基準で算出した偏差値を使用しています。

検証する日として2019年4月6日(土)を取り上げます。通常1会場につき1~2レース1200m戦が組まれますが、この日の1200m戦は3会場で7レースと平均より多めです。

対象となるレースはさきほど先行馬が有利なレースとして挙げたコースに入っている中山ダート1200m阪神ダート1200mコースで、4月6日(土)では5レース開催されました。

1.中山1レース・ダート1200m/3歳未勝利

★ピックアップ馬
⑫ベリッシモファルコ:前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値63.7
⑦フランシス:3走前/新潟ダート1200m・未勝利で偏差値61.8

 レース結果:⑦フランシス 1着 単勝370円/複勝120円

2.中山3レース・ダート1200m/3歳未勝利

★ピックアップ馬
②タイガーキット:2走前/新潟ダート1200m・未勝利で偏差値71.1
⑬アールランペイジ
:2走前/中山ダート1200m・未勝利で偏差値70.1
⑦スリーヴリーグ前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値61.5

 レース結果:⑬アールランペイジ1着 単勝130円/複勝110円

3.中山7レース・ダート1200m/3歳500万下条件

★ピックアップ馬
②イベリスリーフ:前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値65.8
⑫パイロジェン前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値65.8
⑬アイアムハヤスギル
:前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値65.8
④サニーストーム
:2走前/中山ダート1200m・未勝利で偏差値64.7
①スマートマルシェ
:2走前/中山ダート1200m・未勝利で偏差値64.1
⑩ワイメアバレイ
:前走/中山ダート1200m・未勝利で偏差値62.5
⑥アンビル
:3走前/中山ダート1200m・500万下条件で偏差値62.0
⑧プロトイチバンボシ
:前走/中山ダート1200m・500万下条件で偏差値62.0

 レース結果:①スマートマルシェ1着 単勝960円/複勝220円 ④サニーストーム2着 複勝110円

4.阪神8レース・ダート1200m/4歳以上500万下条件

★ピックアップ馬
⑥スピリットワンベル:2走前/中京ダート1200m・500万下条件で偏差値66.7
⑦アウトバーン:2走前/阪神ダート1200m・500万下条件で偏差値63.6
⑭ベガッソ:2走前/新潟ダート1200m・500万下条件で偏差値61.6

 レース結果:⑥スピリットワンベル 1着 単勝470円/複勝170円

5.中山12レース・ダート1200m/4歳以上500万下条件

★ピックアップ馬
⑥コスモビスティー
:3走前/中山ダート1200m・500万下条件で偏差値62.0
⑭エンパシー:前走/中山ダート1200m・500万下で偏差値60.7

 レース結果:⑥コスモビスティー3着 複勝150円

結果として5レース中5レースで偏差値60以上の馬が馬券に絡みました。単純に直近3走の前半3ハロンタイムをチェックするだけでも、馬券に絡む馬が見つけられることがわかりますね!

6.まとめ

いかがでしょうか?検証ではたった1日のみを取り上げましたが、最後にもう少し分かりやすいレースを取り上げてみましょう。
3連単が400万円超えと大荒れになった第49回高松宮記念(2019.3.24開催)です。

このレースでは単勝万馬券の馬が2着・3着に入り、大波乱を演出しました。両馬ともに高松宮記念以前の成績を見てみると、二桁着順を繰り返しておりとても普通には買い目に入れられません。ただ2着馬・3着馬ともに前走の前半3ハロンタイムの偏差値が60を超えていました。特に2着に入ったセイウンコウセイは前走の前半3ハロンタイム偏差値はなんと75.0!実際のレースでは先行しそのまま2着に粘りこみました。

ちなみに3着に入ったショウナンアンセムは中団後ろからの競馬になりましたが、鋭い末脚を見せ3着に粘りこみました。この馬も前半3ハロンタイム偏差値は62.8と上位をマークしており、ブービー人気は不当評価とも言えました。

このように「前半3ハロンタイム」に注目することで、穴馬券も本命馬券も狙えることがご理解頂けたかと思います。
是非狙い目前半3ハロンタイムを活用して「1200m戦」の予想上手になりましょう!